やの日乗

日々のふりかえりのような何か

新人教育の打開策

「エンジニアのキャリア」というお題なので、新人教育について書こうと思います。

私はプログラマで、どちらかといえば厳しい先輩として知られています。 ものをはっきり言い過ぎる、とか、容赦がない、遠慮がない、とか、言われます。 部下目線で見て厳しいだけでなく、上司から見てもキツいことを平気で言ってくる人間に見えているようです。 困ったことだと思っています。 自分の発言が他人にどう受け止められるかを、もっと適切にコントロールしたいところです。 私としては何ひとつ厳しいことを言っているつもりはなく、むしろ、遠慮して慎重に発言を選んでいるつもりなので。

さて、そんな厳しい人間が新人教育をしたとします。 当たり前ですが、新人がとてもつぶれやすくなります。 私ひとりで対応したのではどうしようもなくなる、と認識した時点で、上司や周りに報告して、助けを求めるのですが、どうにもうまくいきません。

そんな中、とある人に、ダニエル・キムの組織の成功循環モデルを教わりました。 関係の質、思考の質、行動の質、結果の質の順番で、質が上がり、ぐるぐると循環し、組織が成長しいく、というモデルです。 いろいろ教わったのですが、重要なのは、関係の質が起点になることです。 結果の質を最大化したければ、一緒に働く人と仲良くなれ、ということのようです。

はじめ聞いたときは、とても不思議でした。 一緒に働く人と仲が良くても良くなくても、たとえ相手がものすごく嫌な人でも、結果を出すのが、仕事というものではないの? という感じです。

しかし、現在、新人教育がうまくいっていないのは事実であり、何か別のアプローチが必要です。 成功循環モデルに納得したわけではありませんでしたが、関係の質を上げても誰も困らず、ノーリスクであるので、試してみました。

具体的には、朝会のチェックインで「最近、楽しかったこと」などお題を出して、みんなで仕事に関係のない話をしました。 開始したのが2020年5月頃なので、かれこれ半年ほど続いています。

驚いたことに、新人(今、OJTで一緒に仕事をしている新人が1人いる)が、楽しそうに仕事をしています。 いえ、私の下につくと必ず新人が疲弊するわけでもなく、もとの能力が高い人(前評判がいい、ではなく、潜在的プログラマ向きの人)は、ちょっとどうかと思うくらいに成長するので、私がいつも新人教育にてこずっているわけでもないのですが。 そして、今のところ、標本数が1なので、どのくらい確実なのかはわからないのですが。

新人の心理的安全性が上がっている様子で、この仕事は初めてやるのでうまくできるか心配なんですよー、と気軽に話してくれます。 能力も少しずつ着実に伸びています。 私や他の人に質問しながら、やったことのない仕事をしているので、能力が伸びるのは当然なのですが、今までの新人は質問ができなくてPCの前で固まっていることが多かったので、劇的な改善です。

チームの雰囲気もいいです。 かつてないくらいに仲がよくて、居心地がいいです。 仕事に関係のない話をする場を毎日作るだけで、こうも変わるものなのか、と驚いています。

今回はたまたまうまく行っただけ、とか、何か別の要因が絡んでいる、とか、いろいろと考えることはあるのですが、とりあえず、しばらく続けていこうと思います。